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R3 新春座談会

「伊豆湘南道路を呼び水に、伊豆の地域振興を考える」


新型コロナウイルスが社会・経済に与えている影響は計り知れず、観光産業をはじめとする多くの産業が大打撃を受けており、いかに人の移動が社会・経済に必要かがコロナ禍で明らかになった。特に観光地の伊豆にとって、地域の活性化は活発な人の往来だとはっきりと分かった。アフターコロナをにらんだとき、伊豆に人をどう呼び込むかが地域おこしのカギとなる。そしてそのカギを握っているのが道路網の整備だ。首都圏と伊豆が時間的に近くなれば、これまで以上に多くの人が伊豆に足を運ぶだろう。そこで、今回の座談会では、伊豆を取り巻く道路網整備構想のうち、伊豆湘南道路にスポットを当てるとともに、今年、伊豆で開催されるオリンピックを契機とした、これからの伊豆の地域振興策について語ってもらった。

<出席者>
静岡県沼津土木事務所 所長 原  広司氏
静岡県熱海土木事務所 所長 尾崎 元久氏
静岡県経営管理部地域振興局地域振興課
課長代理 八木 貴美氏
伊東市観光課 地域おこし協力隊 荒武 悠衣氏
函南町商工会 経営支援員 村上 真澄氏
(一社)三島建設業協会 広報委員
座談会司会 出口 直樹氏
(一社)三島建設業協会 会長 小野  徹氏
<司会>
(一社)三島建設業協会
広報委員会 委員長 山本 裕二氏

山本 新年あけましておめでとうございます。本日はお忙しい中、新春座談会に出席していただき感謝いたします。最初に小野会長からごあいさつをお願いします。

小野 2018年の台風12号で小田原市内の海沿いを走る国道135号が大きな被害に遭い、いかに海岸線を通る道路が脆いかが明らかになりました。伊豆の発展には地域住民が安全安心に生活でき、訪問もしていただけることが何よりも重要です。そのためには、海岸線よりも山筋を通る伊豆湘南道路が将来の切り札になると確信し、伊豆湘南道路を呼び水に伊豆地域の活性化と振興を考えるべく座談会を開きました。新年にふさわしい夢のある話をお伺いできればと思います。

山本 今年はコロナ禍で延期になっていたオリンピックが伊豆で開催されますが、伊豆湘南道路を切り口に伊豆の振興について忌憚のない意見をお願いします。では、あいさつを含め簡単な自己紹介をお願いします。

 私は昭和60年、熱海土木事務所伊東支所から行政マン人生が始まりました。今は沼津土木事務所がホームグラウンドですが、伊豆半島東海岸には思い入れがいろいろとあります。昨年はオリンピック関連アクセス道路整備など過密な工事が続きましたが、ほぼハード整備も終わり、開催に向けて道路管理者として準備を進めていきます。

尾崎 昨年4月に熱海土木事務所に赴任し、あっという間に新年を迎えました。私は下田土木事務所からスタートし、熱海土木事務所は初めてとなります。昨年は大きな台風被害などはなかったのですが、国道135号を中心に各地で土砂崩れが発生した際には建設業の皆さんに助けていただき感謝しています。

八木 昨年4月から、地域振興課に配属になりました。県内の四つの地域に設置した地域局とともに、地域の課題解決に向けた取り組みを進めています。土木行政には、袋井土木事務所で関わった経験があります。伊豆縦貫道など東部地域の道路も充実してきましたが、地域振興策を考える上でも更に整備が進むことを期待しています。

荒武 このような座談会は初めてでとても緊張しています。出身は香川県で昨年4月に伊東市に来ました。今は伊東市観光課で地域おこし協力隊として働いています。香川で運転免許を取り、初めてこちらで運転しましたが、景色は最高です。運転しながら時間を忘れられるなと思いました。

村上 函南町商工会としては、道路ができることは人が来訪することになり、地域振興につながると思っています。今日は専門家の皆さんのお話が聞けるということで大変楽しみにしていました。

伊豆の活性化と振興の切り札に

出口 それでは座談会に移ります。簡単に伊豆湘南道路を紹介しますと、神奈川県西部と静岡県伊豆地域を結ぶ道路構想です。建設促進期成同盟会はもともとあったようですが、最近機運が高まってきており、調査費も付けられています。国道1号や国道135号のバイパスとしての機能や、湘南バイパス、東名高速、伊豆縦貫自動車道へのアクセス道路、富士箱根エリアの周遊道路へのアクセス機能が考えられています。本日は道路実現に向けた話も含め、実現したらどのように伊豆地域の振興が図られるかなど、皆さんの意見を伺いたいと思います。まず、伊豆地域振興に関する静岡県の考えを教えてください。

八木 人口減少、少子高齢化が進む中で、伊豆半島においても広域連携が重要であると考えており、地域局を中心に市町や多様な主体と連携した地域づくりを行なっています。「伊豆はひとつ」との考えのもと、「伊豆半島グランドデザイン」を推進する役割を担う「美しい伊豆創造センター」が、現在は観光振興に重点を置きながら、半島周遊を促す仕掛けとしてポケモンを活用したフォトコンテストなどに取り組んでいます。

出口 地域おこし協力隊とはどのような活動ですか。

荒武 ミッション型とフリーミッション型の活動があり、伊東市はミッション型です。情報発信とロケ支援を行っています。主にインスタグラムなどのSNSで情報を発信しています。緊急事態宣言解除後は1カ月で20件ほどロケが来ましたが、コロナ禍でまた減ってきました。

出口 函南町長が促進期成同盟会の副会長を務めていますね。

村上 町長や商工会長も同盟会の会合に参加して要望しています。道路ができ人が来てくれれば、物が売れる。物が売れれば、会社も来てくれます。人も住んでくれるようになります。大きな道路ができることで、さまざまな効果が期待できます。ぜひ伊豆湘南道路が実現すればいいと思います。

出口 商工会としては流通への期待があるということですね。では、道路行政を担う立場からお話をお願いします。

 道路はつながることでいろんなインパクトが生じます。最近の例では、圏央道があります。東駿河湾環状道路が伊豆中央道と修善寺道路とつながった後に、圏央道が開通しました。それによって北関東の人が伊豆に来るようになりました。道路1本つながると人、物、企業の動きが変わります。また、災害に強い安全な道路をつくることが観光客へのおもてなしにもなると考えています。

尾崎 本庁の景観まちづくり課在籍後に熱海土木配属となりましたが、伊豆半島東海岸のきれいな海を見ながら車を走らせていると、パッと大きな派手な看板に出くわします。それでは景観を損ねます。屋外広告掲示のルールを決めて景観を損ねない取り組みが必要だと思います。

八木 伊豆半島の景観は県民でも魅力的だと思います。「自然に囲まれて心豊かに働き、子育てできる」と、コロナ禍で淡路島に移住した方の投稿を目にしましたが、伊豆半島は首都圏からも近く、観光資源も豊富ですので、道路網の整備により他県に勝るとも劣らない移住先となるのではないでしょうか。

出口 東京から地方に目が向いている一つの例として、私が住んでいる熱海でも急にマンション需要が増えていると聞いています。

伊豆湘南サミットで機運醸成を

山本 他の地方に移住人口を取られないためにも伊豆湘南道路の早期整備が望まれるわけですね。

小野 ここにきて熱海市長をはじめ建設機運が高まっていますが、その真意は。

出口 ここ数年、熱海商工会議所から要望書を出していて、それが市長に伝わりました。促進期成同盟会の会長も熱海市長です。また、冒頭、小野会長が海岸線道路の脆弱さを指摘したように、小田原市内の国道135号で災害が起きてからは神奈川県側でも機運が高まったという経緯があります。

尾崎 伊豆湘南道路を進めていくに当たり、課題となるのは、静岡・神奈川の県境を越えての整備となる事です。国の地方整備局も中部と関東に分かれており、俯瞰した大きな捉え方で、新しいエリアで考えていかなければいけません。

 県境をまたぐ道路では三遠南信道路があります。愛知、長野、静岡と連携して整備してきた道路ですが、これが良いモデルケースです。「伊豆湘南サミット」みたいなものができれば、機運醸成には非常にいいのではないでしょうか。そんな仕掛けを考えてみるのもいいかもしれません。

小野 調査費が付いたと聞きましたが。

 静岡県と神奈川県に国補助の予算が付き、両県で6000万円です。調査費で概略ルートの検討を行います。ルートは函南から湘南バイパスに行くのか、小田原厚木道路に行くのか分かりません。山寄りか、海寄りか分からないですが、どこを通るにしてもメリット、デメリットはあります。どのようなルートが考えられるかを検討する予算ですね。

出口 ここで女性陣に伊豆の印象についてお伺いしたいと思います。

八木 伊豆は道路渋滞が多い印象です。交流人口を増やし、伊豆半島ファンを増やすには、アクセス道路を充実させることが重要だと思います。

荒武 先ほども話しましたが、伊豆の景色は素晴らしいと思います。ただ、道路の起伏は香川県と同じように激しいと感じています。

村上 道の駅やめんたいパークに多くの県外ナンバーの車が訪れてくれています。函南は伊豆の玄関口で道路は比較的いい方ですが、伊豆の山間部や海岸沿いは道路が狭くて、坂や急カーブも多く危険な場所もあります。慣れない観光客のためにも危険を回避するバスパスなどの整備も必要と思います。

出口 それでは最後に皆さんから一言ずつお願いします。

 担い手確保は交通基盤部全体でも取り組んでいますが、現実的には厳しく、働き手の半分以上は60歳以上で占めています。このままですと担い手がいなくなって今う事態に陥りかねません。建設業は冬の雪氷対策など住民の生活を支えています。県民の安心・安全、生命、財産を守る業界です。建設行政を担うわれわれも業界の持続的発展の手助けができるよう努力していきます。

尾崎 建設業は地域医療と似ています。公共施設物は維持管理を行っても声を出して痛いといってくれませんが、面倒を見なければ老朽化が進みます。定期的に検査し、総合医療的に維持修繕することが必要です。また、建設業は美しい景観創生面でも社会に貢献しており、地域社会に欠かせない産業です。社会からもっと認められるべきです。

八木 県背業界はインフラ整備という重要な役割に加え、コロナ禍での雇用創出や景気牽引という面でも期待されます。若い働き手が入植する魅力ある業界に発展し、地域づくりの一翼を担っていただきたいと思います。

荒武 皆さんから道路づくりについていろいろと伺い、道路をつくることは大変なことだと感じました。伊豆湘南道路が早く完成し、たくさんの観光客が伊豆を訪れ、伊豆が活性化されることを願っています。

村上 道路は私たちにとって欠かせないものです。皆さんの頑張りによって私たち住民の生活が豊かになっていることに感謝しています。

山本 本日は長時間にわたり貴重なご意見を頂きありがとうございました。最後に小野会長より謝辞を申し上げます。

小野 コロナ禍で暗いニュースが多い中、夢のある話題として伊豆湘南道路を取り上げました。影も形もない伊豆湘南道路という難しいテーマでいろいろ意見をいただきましたが、「伊豆湘南サミット」というような仕掛けを考え、隣町と交流をもって道路建設に向けたらどうかとの話もあり、「なるほど」と思いました。実務面でも、将来的にも役に立つ提案でした。本日は大変活発で 有意義な座談会でした。ありがとうございました。


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