令和7年度定時総会を開催 ―三建・建災防分会・三島地区協組―
三島建設業協会(佐野茂樹会長)は5月19日、協会大会議室で令和7年度定時総会を開催した。また、同日、建設業労働災害防止協会静岡県支部三島分会(佐野茂樹分会長)と三島地区建設事業協同組合(佐野茂樹理事長)も総会を実施した。
冒頭、あいさつに立った佐野会長は「東日本建設業保証(株)が発表した令和6年度の前払金保証取扱い実績によれば、件数は1%減少だが、請負金額は5.1%増加している。これは物価や労務費単価の上昇、ICT導入、週休二日制の影響による工期延長などが背景にあり、1件当たりの工事費が増加している事が要因である。政府は新たな国土強靭化中長期計画として、概ね5年間で20兆円強の事業規模を想定し、さらに物価や人件費高騰に応じた毎年の積み上げを予定しており、この取り組みに大いに期待したい。
また、本年7月には第27回参議院議員選挙が予定されており、我々建設業界としては防災・減災・国土強靭化そして継続的なインフラ整備による地域経済の活性化など、建設産業の未来を担う若者にとって魅力ある施策を掲げる候補者を、職域代表として応援して参りたい。
さらに、4月に日建連から報告された内容によれば、民間工事において下請け代金の約4割が工事引き渡し後に支払われたという実態がある。下請け代金支払遅延防止法の趣旨を鑑みても、適正な代金の支払いは当然のことである。法改正において、「親事業者」「下請け業者」という呼称を、「委託事業者」「中小受託事業者」に改正することも検討されているが、名称が変わっても受発注者間の関係性の本質に代わりが無ければ如何なものか。令和6年には全国で3万業者から違反疑義情報が駆け込みホットラインに寄せられ、国交省の建設Gメンが調査・指導に当たっている。
第3次担い手3法の改正では、建設業における労働環境の改善、担い手の確保・定着が重点課題とされており、「適正な工期」「適正な利潤」「適正な賃金」の確保が求められている。より良い受発注関係が築かれ、少ない人員でも良好な労働環境の下、効率的に工事が進み、建設業がより魅力のある業界になる事を心から願っている。」と話した。
また、小野徹常任相談役理事は「県は今年度から入札参加の想定業者数を、おおむね20者から10者に改正したが、これは土木一式の入札参加資格者数が20年間で4割も減少していることが理由とのこと。それほど仕事が減り、後継者も育っていないということである。特に伊豆地域は、県から見放されている。中西部には、浜松の野球場や、清水のサッカー場など、県の施設整備が次々と話題になるが、伊豆には県営の施設など無いに等しい。
また、能登半島地震をきっかけに、能登半島と伊豆半島の類似性が指摘され、「南海トラフ地震が間近だ」と言われているのに、緊急輸送路の整備に大幅な予算がついたという話もない。
さらには、伊豆湘南道路も、地元の細野代議士や、参議院に立候補予定の見坂氏は「重点施策」だと言っているが、伊豆縦貫道路の例を見ても、何十年かの後に高速道路ができてから、それに繋がる県道整備を待つのではどうしようもない。そうした危機意識を強く持って、7月の参議院選挙などを、皆さんに頑張ってほしいと思う。会員の皆さまの団結と、協会への今一層のバックアップをお願いしたい」と訴えた。
総会第1部の議事では、3団体の令和6年度事業報告・収支決算報告、建災防三島分会および三島地区協組の令和7年度事業計画・予算案について審議し、全ての議案を可決した。また、長年にわたり広報委員会に所属し活動された寺尾直氏(中林建設)と出口直樹氏(東豆)が退任するにあたり、会長感謝状を贈呈することが報告された。
第2部の講演会では、沼津土木事務所の望月靖之所長と、熱海土木事務所の西原宏昌所長による講演が行われた。